コーヒーを作っていて、うまくいったとき。
「次も同じように作りたい」と思います。
そこで、豆の量、温度、時間などを記録して、次も同じ数字になるようにします。
では、数字を同じにすれば、同じコーヒーを再現できるのでしょうか。
必ずしもそうとは限りません。
コーヒー豆そのものの状態が変わっているかもしれません。
気温や湿度が違うかもしれません。
器具や機械の状態も、前回とまったく同じとは限りません。
同じ条件にしたつもりでも、出来上がったコーヒーに違いが出ることがあります。
では、「再現する」とは何を同じにすることなのでしょうか。
方法を同じにすることなのか。
数字を同じにすることなのか。
それとも、出来上がった結果を同じようなものにすることなのか。
たとえば、前回と豆の状態が違うなら、同じ結果に近づけるために、あえて方法を変えることもあります。
つまり、
同じことをすることと、同じ結果を目指すことは、必ずしも同じではありません。
これは少し不思議です。
再現するために、前回と違うことをする場合があるからです。
そのためには、まず前回の結果を知っている必要があります。
何をしたのか。
どうなったのか。
今回は何が違うのか。
それを比べて、必要なら条件を変える。
記録は、そのための手がかりになります。
再現とは、前回とまったく同じ作業を繰り返すことだけではありません。
目指す結果に近づくために、違いを見つけて調整することも、再現するための方法です。