コーヒー豆は、そもそも何?

私たちが普段「コーヒー豆」と呼んでいるものは、植物として見ると豆ではありません。

コーヒーノキになる果実の中にある、種子です。

コーヒーノキは、花が咲いたあとに実をつけます。

熟した実は赤や黄色などになり、一般に「コーヒーチェリー」と呼ばれています。

その果実の中に種子があり、それを取り出して乾燥させ、焙煎できる状態にしたものが「生豆」です。

多くの場合、一つの果実の中には向かい合うように二つの種子が入っています。

この生豆を焙煎すると、色や香り、成分などが大きく変化し、私たちが普段見ている茶色いコーヒー豆になります。

つまり、普段飲んでいるコーヒーをさかのぼると、

飲み物
→ 焙煎した豆
→ 生豆
→ 果実の中の種子
→ コーヒーノキ

とつながっています。

ここで少し重要なのが、生豆になるまでにもいくつもの工程があることです。

コーヒーチェリーを収穫したあと、果肉などを取り除き、種子を乾燥させます。

ただし、その方法は一つではありません。

果実のまま乾燥させる方法もあれば、果肉を取り除いてから発酵や水洗、乾燥などの工程を行う方法もあります。

こうした収穫後の処理を、コーヒーでは「精製」と呼びます。

精製方法が違えば、生豆の状態や、最終的なコーヒーの味や香りにも違いが生まれます。

さらに、同じコーヒーという植物でも、品種があります。

育つ場所も違います。

標高、気温、雨、土壌などの環境も違います。

収穫する時期や、熟した実をどのように選ぶかによっても違いが生まれます。

ですから、「コーヒー豆」という一つの名前で呼んでいても、焙煎する前からすでにそれぞれ違う状態にあります。

焙煎によって初めてすべての違いが作られるわけではありません。

焙煎する前までに積み重なってきた違いを持ったものが、生豆です。

コーヒーの味をもう少し詳しく知ろうとすると、焙煎や淹れ方だけでなく、その豆がどのように育ち、どのように生豆になったのかを見る必要が出てきます。