コーヒーを焙煎するとき、最初に見るのは焙煎機の温度だけではありません。
これから焙煎する生豆が、どんな状態なのかを見ます。
同じ重さの生豆でも、すべてが同じ状態とは限りません。
産地や品種、精製方法が違います。
収穫された時期や、乾燥・保管されてきた環境も違います。
その違いを知るために、生豆についていくつかの情報を確認します。
たとえば、
含水率。
生豆にどのくらい水分が含まれているかを見る数字です。
水分活性(AW)。
含まれている水分の量とは別に、その水分がどのような状態にあるのかを見るための指標です。
密度。
豆の大きさだけでは分からない、生豆の物理的な特徴を見る手がかりになります。
精製方法。
ナチュラル、ウォッシュド、ハニーなど、生豆になるまでにどのような工程を通ってきたのかを確認します。
さらに、豆の大きさや形、色、ばらつき、欠点豆の状態など、実際に生豆を見て分かることもあります。
では、これらの数字や情報が分かれば、焙煎方法も自動的に決まるのでしょうか。
そうではありません。
たとえば、含水率が同じだからといって、二つの生豆がまったく同じ状態とは限りません。
密度が高いから、必ず同じ焙煎方法にすればいいということでもありません。
それぞれの情報は、生豆を見るための手がかりです。
そして、もう一つ必要なのが、
「この豆を、どんなコーヒーにしたいのか」
という目的です。
同じ生豆でも、どんな味や香りを目指すのかによって、焙煎の進め方は変わります。
生豆の状態を見る。
どんなコーヒーにしたいのかを考える。
その二つをもとに、どのように熱を加えていくかを考えます。
そして、実際に焙煎してみる。
出来上がったコーヒーを飲み、考えていた結果になったかを確認する。
違っていれば、次の焙煎を変える。
生豆の情報は、焙煎方法を決めてくれる答えではありません。
これからどう焙煎するかを考えるための、出発点です。