精製と乾燥が終わったコーヒーの生豆は、そのままずっと同じ状態なのでしょうか。
生豆は乾燥しているため、収穫した果実よりも長く保管することができます。
でも、変化が完全に止まったわけではありません。
保管している間にも、生豆の状態は少しずつ変化していきます。
その変化には、時間だけでなく、さまざまな条件が関係します。
温度。
湿度。
包装方法。
保管場所。
そして、もともと生豆がどのような状態だったのか。
同じ時期に収穫されたコーヒーでも、こうした条件が違えば、同じように変化するとは限りません。
生豆の状態を見るときによく使われる数字の一つに「含水率」があります。
これは、生豆にどのくらい水分が含まれているかを見るためのものです。
もう一つ、「水分活性」という指標もあります。
水分活性は、単純に水分がどれだけあるかではなく、その水分がどのような状態にあるのかを見るための指標です。
そのため、含水率が同じような生豆でも、水分活性まで同じとは限りません。
生豆の大きさや密度などにも違いがあります。
焙煎する側から見ると、こうした違いは無視できません。
以前と同じ温度、同じ火力、同じ時間で焙煎すれば、いつでも同じ結果になるとは限らないからです。
まず、今の生豆がどんな状態なのかを見る。
そのうえで、どのように熱を加えていくかを考えます。
コーヒー豆の商品説明では、産地、品種、精製方法などが目立ちます。
それらはもちろん大切な情報です。
でも、焙煎する時点では、
「どこで作られた豆なのか」だけでなく、「今、この豆がどんな状態なのか」
も重要になります。
生豆は、収穫された瞬間の状態をそのまま保存したものではありません。
収穫され、精製され、乾燥され、保管され、輸送されながら、焙煎する場所までやってきます。
コーヒーの違いを考えるときには、その時間の積み重ねも見る必要があります。