焙煎機に入れた生豆は、熱を受けながら少しずつ変化していきます。
最初の生豆は、緑色から青緑色に近い色をしています。
焙煎が始まると豆の温度が上がり、水分が抜けていきます。
色も少しずつ変わります。
緑色だった豆は白っぽくなり、やがて黄色へと変化していきます。
香りにも変化があります。
焙煎の前半では、青っぽい香りや湿った草のような香りを感じることがあります。
さらに進むと、乾いた草のような香りになり、その後はパンのような香りや、甘さを感じさせる香りへと変わっていきます。
豆の色も黄色から褐色へと変わります。
この間、豆の内部でもさまざまな化学反応が進んでいます。
コーヒーの焙煎でよく出てくる「メイラード反応」なども、その一つです。
さらに焙煎を進めると、豆の内部で作られた水蒸気やガスなどによって圧力が高まり、やがて豆から音が聞こえるようになります。
これが「1ハゼ」と呼ばれる現象です。
1ハゼの前後では、豆は大きく膨らみ、色や香りもさらに変化していきます。
そこからさらに焙煎を続けると、褐色は濃くなり、焙煎によって生まれる香ばしさや苦味などの特徴も強くなっていきます。
さらに進めると「2ハゼ」と呼ばれる音が聞こえる段階に入ります。
そして、目指す状態になったところで豆を焙煎機から取り出し、冷却します。
この焙煎を終えて豆を取り出すことを「ドロップ」と呼ぶことがあります。
こうして並べると、
生豆
→ 加熱
→ 水分の変化
→ 黄変
→ 褐色化
→ 1ハゼ
→ さらに焙煎が進む
→ 2ハゼ
→ ドロップ・冷却
という流れを見ることができます。
ただし、それぞれの変化が決まった温度や時間で必ず起きるわけではありません。
生豆の状態、焙煎機、投入量、熱の与え方などによって変わります。
また、この流れを知るだけでは、どんな焙煎にすればいいのかまでは決まりません。
大切なのは、焙煎中に起きている変化を観察し、
「今、豆がどんな状態にあるのか」
を考えることです。
温度や時間は、そのための手がかりです。
色や香り、音も手がかりになります。
それらを一緒に見ながら、どこで焙煎を終えるのか、そこまでどのように熱を与えるのかを考えていきます。