予想と違ったとき、何を見ればいい?

コーヒーを淹れたり、焙煎したりしていると、

「思っていたのと違う」

ということがあります。

いつものレシピなのに、味が違う。

同じように焙煎したつもりなのに、豆の変化が早い。

前回より抽出時間が長い。

狙っていた味にならなかった。

そんなとき、すぐに設定を変えたくなることがあります。

でも、その前に確認したいことがあります。

何が、予想と違ったのでしょうか。

「なんとなく違う」だけでは、次に何を変えればいいのか分かりません。

まず、予想していた状態と実際の状態を分けてみます。

たとえば抽出なら、

3分くらいで終わると思っていたのに、3分30秒かかった。

いつもよりお湯の落ち方が遅かった。

予想より苦味を強く感じた。

余韻が短く感じた。

こうしてみると、

「違った」

から、

「どこが、どのように違ったのか」

へ変わります。

焙煎でも同じです。

予想よりボトムが早かった。

黄変までの時間が短かった。

1ハゼが予想より早く始まった。

温度は似ているのに、豆の色や香りが前回と違う。

まず、起きた違いを確認します。

次に、

何が変わっていたのか

を探します。

抽出なら、

豆は同じか。

焙煎してからの日数はどうか。

粉の量は同じか。

挽き目は同じか。

お湯の温度や量はどうか。

注ぎ方は違わなかったか。

焙煎なら、

生豆は前回と同じ状態か。

バッチ量は同じか。

焙煎機の状態はどうだったか。

火力や排気の操作は同じか。

室内や外気の条件に違いはなかったか。

ここで重要なのは、

思いついた原因を、すぐに原因だと決めないことです。

たとえば、

「抽出が遅かったから、挽き目が細かすぎた」

と考えたとします。

それは一つの可能性です。

でも、粉の量や注ぎ方、微粉の状態など、ほかの条件が関係している可能性もあります。

そこで、

「挽き目が原因だ」

ではなく、

「挽き目が関係しているかもしれない」

と考えます。

これが仮説になります。

仮説を立てたら、次に確かめます。

ほかの条件をできるだけそろえて、挽き目を調整してみる。

結果がどう変わったのかを見る。

予想した方向へ変わったのか。

変わらなかったのか。

変わらなかったなら、別の可能性を考えます。

ここで、予想と違った結果が役に立ちます。

「挽き目だと思ったけれど、変えても予想した結果にならなかった」

これは失敗しただけではありません。

最初の仮説では説明できないことが分かった

という情報でもあります。

すると、次に見るところを変えることができます。

問題が起きたときに、いくつもの条件を一度に変えてしまうと、結果が良くなっても何が関係していたのか分からなくなります。

だから、

まず違いを見つける。

変わった条件を探す。

原因になりそうなものを考える。

一つずつ確かめる。

という順番にします。

予想する。
実際を見る。
差を見つける。
原因を考える。
確かめる。
結果を見て、考え直す。

そして、もう一つ大切なことがあります。

予想と違ったからといって、必ず直さなければならないわけではありません。

予想とは違ったけれど、飲んでみたら目的としていたコーヒーになっていることもあります。

反対に、数字や時間が予想通りでも、カップが狙いと違うこともあります。

そこで最後に確認するのは、

「何を目的にしていたのか」

です。

予想との差は、問題そのものではありません。

目的から外れているなら、何を変えるかを考える。

目的を満たしているなら、その違いが本当に修正すべきものなのかを考える。

予想は、現実を予想通りにするためにあるのではありません。

現実との違いを見つけるための基準として使うことができます。

予想と違ったときは、

「失敗した」

と結論を出す前に、

「何が違った?」

と見てみる。

その差の中に、次に確かめることが見つかります。