コーヒー豆には、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」といった焙煎度が表示されていることがあります。
チバコーヒーでも、コーヒー豆を選ぶときの目安として焙煎度を表示しています。
では、浅煎りと中煎りは、どこから分かれるのでしょうか。
「○℃までは浅煎り、○℃を超えたら中煎り」というように、全国共通の境界が決められているわけではありません。
焙煎度は、焙煎がどこまで進んだかを表すための区分です。
判断する手がかりはいくつかあります。
豆の色。
1ハゼや2ハゼとの関係。
焙煎を終えたときの温度。
焙煎時間。
そして、実際に出来上がったコーヒーの味や香り。
こうした情報を見ながら、そのコーヒーの焙煎度を捉えていきます。
ただし、どれか一つだけで決められるものでもありません。
たとえば、焙煎を終えたときの表示温度が同じでも、焙煎機が違えば単純には比較できません。
同じ時間焙煎しても、熱の与え方が違えば豆の変化も違います。
豆の色も重要な手がかりですが、生豆の種類や精製方法などによって見え方に違いがあります。
そのため、焙煎度にはさまざまな呼び方があります。
ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンといった名称を見かけることもあります。
しかし、こうした名称についても、すべての店や焙煎所がまったく同じ基準で使っているとは限りません。
つまり、
焙煎度はコーヒーの状態を伝えるための便利な目安ですが、それだけでコーヒーのすべてが決まるわけではありません。
一般に、焙煎を浅い段階で終えると、酸味や生豆由来の特徴を感じやすい傾向があります。
焙煎をさらに進めると、酸味の感じ方は変化し、焙煎によって生まれる香ばしさや苦味などが感じられやすくなります。
ただし、
「浅煎りだから酸っぱい」
「深煎りだから苦い」
と、それだけで味が決まるわけではありません。
どんな生豆を使ったのか。
どのように焙煎したのか。
どのように抽出したのか。
それらが重なって、一杯のコーヒーになります。
では、焙煎する人は何を基準に、どこで焙煎を終えるのでしょうか。
最初にあるのは、
「この豆を、どんなコーヒーにしたいのか」
という目的です。
その目的に合わせて熱の与え方を考え、豆の変化を観察し、焙煎を終える位置を決めます。
そして実際に飲んで確かめます。
思った通りなら、その記録は次の焙煎の手がかりになります。
違っていれば、条件を変えてもう一度試します。
焙煎度は、その結果を他の人にも分かりやすく伝えるための一つの表現です。
「浅煎りだからこういう味」と答えを決めるものではなく、コーヒーを選ぶための地図のようなものです。